子供の親権と監護権とは?

●子供の親権と監護権

親権
親権とは、未成年の子供を保護・養育し財産管理などをして子供を育てる義務のことをいいます。
親権は親の権利という認識がありますが、「親が子供を育てる責任や義務」というのが本当のところです。
結婚中は両親が共同して親権を行使しますが、離婚後はどちらかの親が親権者となって親権を行使するように決まっています。
そのため、未成年の子供がいる場合は、離婚の際に必ず親権者を決めなければなりません。

親権は大きく分けると身上監護権と財産管理権に分けられます。

親権
身上監護権
財産管理権
未成年の子供の身の回りの世話をしたり教育をしたりする親としての権限 未成年の子が自分名義の財産を持っている時に、その財産を売買するなどの法律行為を代わって行い、財産の管理をする事

親権者を決めるときは、しっかり話し合って親権者を決めましょう。
その時は、親同士の気持ちで決めると言うよりは、子供のためにはどちらが親権者になるのが良いかという点に重点を置いて決めるのが良いと思います。

親権について話し合いでまとまらない時は、調停を申し立てる事もできます。
調停で重視されるのはこちらも、どちらが親権者になることが子供のために良いかという点になります。
生活環境、経済状況、子供の意思などを考慮して決定されます。
一般的には次のようになる事が多いようです。

子供の年齢 親権者
1歳〜10歳 母親
10歳〜15歳 子供の心身の発育状況により子供の意思を尊重
15歳以上 子供の意思を尊重

実際にはどちらが親権者になる事が多いのかというと統計では

父親が親権者になる件数は全体の約10%、母親が親権者になる件数は全体の約90%となっています。
(平成13年の【司法統計年報より)


監護権
監護権者とは親権の一部である身上監護権のみを行使できる人の事です。
離婚の際、親権者になれなくても監護権者となれば、子供と一緒に暮らす事ができます。

でも実際に親権者と監護権者を別にするのは特別な事情がある場合のみにして、できるだけ同じ人が親権者と監護権者になるほうが、後々トラブルが発生しにくくなります。


親権者と監護権者を変更する事もできる
特別の事情がある場合に限って親権者を変更する事ができます。今の親権者が病気になり、子供の面倒を見ることができなくなった場合や子供を養育する環境が悪くなった場合などに親権者の変更が認められるようです。

親権者を変更するには、家庭裁判所に親権者変更の調停申立書を提出します。