慰謝料と財産分与 自営業の手伝いをしていた例

●自営業の手伝いをしていた時の財産分与は?

自営業の手伝いをしていた場合の財産分与はどうなるのでしょうか?

妻がお店の手伝いをしているのであれば、現在お店を営業していけているのは妻の手伝いによる部分あります。
妻の手伝いが無ければ、少なくとも現在の財産を築けなかったはずです。

この場合、お店を手伝っていた期間に相当する給料と財産分与として財産の半分程度を受け取る事ができます。
妻の給料に相当する金額は賃金センサスという統計資料を使って算出すると分かりやすいでしょう。

では、夫の実家の事業の手伝いをしていた場合はどうなのでしょうか?

夫の実家の手伝いをしていたと言う事は、だいたい財産の名義人は夫の父親という事が多いと思います。
夫と離婚して財産分与という話になってもお店の名義は夫の父親のため、財産分与という話になると事情が複雑になってきます。

過去の裁判例では、妻と夫が夫の実家の手伝いをしていた場合、その期間に増えた財産については財産分与の対象になると判断した例があります。
現在の名義は夫の父の物だとしても、夫婦は離婚しなければ、いずれ相続によって財産を受け継ぎます。
よって、将来は夫婦の財産になる見込みがあると判断して財産分与の対象にすると判断したようです。

このように、妻が自営業を手伝っていた場合の財産分与はかなりの部分で認められています。財産の半分は認められる事が多いようです。
専業主婦ではなかなかこうは行かないのとは対照的です。